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札幌在住・社会人バンドFirst Love is Never Returnedが「本当の意味でのメジャーデビュー」 日々を彩る次代のポップミュージックの担い手、 初の渋谷CLUB QUATTROワンマンライブをレポート

First Love is Never Returned
First Love is Never Returned

なんてあたたかい夜だろう。晴れやかな管楽器の音と、雲間から光が差すような柔らかい鍵盤が会場を包む。Kazuki Ishida(Vo//Key/Gt)の第一声は「1週間、お疲れさま」、歌の始まりは<夢から覚めて今日が始まった>(「Good Morning」)ーー間違いなく、このバンドの精神性を表す楽曲だろう。First Love is Never Returned(以下「ラブネバ」)の楽曲には、決して明るいだけではない人生の浮き沈み、悲喜交々が歌われている。優れたポップミュージックの全てがそうであるように、光と影、出会いと別れ、誇りと苦悩、愛と傷、労働と休息、そして日々の中にあるささやかな感動とため息が刻まれているのだ。だからこの音楽は着実にリスナーを惹きつけてきたのだろう。北海道在住、メンバー全員が社会人として働きながら、DIYでファンベースを拡大してきたバンドによる、初の渋谷CLUB QUATTROワンマンライブである。

2026年7月24日、金曜日。ラブネバにとって記念すべき1日は、昼頃には雷がゴロゴロ鳴っていたが、夕方には雨もほとんど止んでいた。会場にはパンパンのお客さんが入っており、音楽が流れる前から良いバイブスが漂っているーーなんてことを思っていたら、定刻を過ぎたステージにふらっとメンバーたちが現れ演奏をスタート。なんとも飾らないバンドである。

「Good Morning」で始まったライブは、のっけから熱量の高い演奏で一気にオーディエンスに火をつけた。「バックミラー」「プラチナ」ではフロアから大きなクラップが鳴り響き、会場中が揺れるような躍動感に包まれる。

続く2曲は清涼感のある楽曲だ。Keita Kotakemori(Gt/Key/Cho)の「懐かしい曲をやるけどついてこれますか!」という言葉を合図に「Lady and Sir」。麗しいシンセとボーカルに心が洗われるポップソングである。そのムードを引き継ぐように「Unlucky!!」に接続。Mizuki Tsunemoto(Dr)が叩く軽やかなタッチのドラムに誘われて、自然と身体が揺れてしまう。透明度の高いメロディとダンサブルなリズムが同居した、これまたキャッチーな楽曲だ。

MCを挟んでからの中盤はすこぶる快調、フロアをダンスホールに変えていく。原曲よりもずっと力強く、妖艶で、ファンキーな「ファンデーションの前に」にクラクラさせられた。続く「Baby,Don’t Stop」はArata Yamamoto(Gt /Cho)の湿り気のあるギターが素晴らしく、ハウスから着想を得たと思しきダンサブルなR&Bに潤いを与えていたように思う。勢いはおさまらない……どころか、さらにアクセルを踏むように「メモリーフラッグ」へ。四つ打ちのリズムと滑らかなベースが否が応にも腰を刺激する中、ドライブ感のあるメロディが突き抜けていく。オーディエンスをアジテートするKeita Kotakemoriの声にも熱気がこもり、「最近変わりない?」でフロアの空気がパッとハジける。楽曲が持つ無機質なビートと、会場から発生する有機的なクラップが溶け合う煌びやかなダンスポップ。不気味なくらい挑発的なギターも良い味を出しており、リズムを強調したボーカルも抜群にカッコいい。

Keita Kotakemoriが「(ラブネバは)このジャンルでは珍しいくらいバキバキのライブをする」と語っていたが、まさしくそれがこのバンドの個性だろう。ソウルやR&Bをベースにしたグルーヴィなポップミュージックに、アグレッシブなロックサウンドを付与。そこに情熱と憂いを含んだボーカルが乗ることで、確かな個性が生まれているように思う。

チャプターごとに景色が変わるようなライブだ(もちろん、それは彼らの楽曲のレンジの広さに由来するものである)。「次の曲はお酒に合う」と告げて「泡と文學」、会場がゆったりとした空間に変容する。この曲はムードを醸し出す鍵盤はもちろん、Yuji Sato(Ba)の粘り気のあるベースが白眉。これしかないと思わせる艶やかな低音がキマっており、ベース、キーボード、ギターと短いソロを回すアンサンブルも印象的だ。続く「落日々」は幻想的なミッドテンポのR&Bと言ったところで、Kazuki Ishidaの甘美なボーカルが一際映える1曲。そしてこのバンドの道が拓ける起点となった「シューズは脱がないで」は、どことなくThe 1975を思わせる爽やかなポップソングーーなのだが、ライブでは熱量の高いダイナミックなアンサンブルと、有無を言わなさい説得力を感じさせるエモーショナルなボーカルに持っていかれた。静かに揺れながら、じっとステージを見つめるように聴き入るフロアの様子も印象的である。

ここからはハイライトの連続。古川翼(サックス)と大泊久栄(トランペット)を招き、晴々しいラストへと駆け抜けていく。ホーンふたつが入ったことで、ラブネバ本来のポテンシャルが花開するのは言うまでもない。「夜的平成浪漫」「僕らの行進曲」(MCを挟んでの)「Black or White?」と、『POP OUT! Ⅲ』から激ポップな3曲を披露。イントロだけで歓声とハンズクラップが起こる「僕らの行進曲」は、胸がすくような爽快さである。空間全体を包み込むようなベースがこの曲の魅了を底上げしていたことも書き記しておこう。また、「Black or White?」ではサックスとトランペットが主役を張るなど、耳を飽きさせないアンサンブルでオーディエンスを魅了していく。

エネルギッシュに「微炭酸」「デッドライン」を演奏し、最後は華やかなディスコ/シティポップ調の「OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT」で本編が終演。このバンドの魅力をこれでもかと叩き込むようなセットリストである。

それにしても溌剌としたライブである。MCも面白い。日々の苦節を交えて語る課長(Keita Kotakemori)は、「話す」ことに慣れ過ぎているのだ。こうしたパーソナリティも、きっとラブネバの魅力だろう。

また、MCでは自身らを応援してくれるチームやファンを、船や飛行機に例え「ラブネバ号」と称し、何度も感謝や今後の期待を伝えていた。また、(メジャーデビューをしても)「誰のことも置いていかない」という言葉も印象的で、このライブのカメラマンやスタッフを2019年頃からの仲間たちで構成しているというのも、彼らのメッセージだろう。彼らは音楽を通しリスナーとの交歓し、少しずつその輪を大きくしていっているように思うのだ。

アンコールに応えてメンバーがぬるぬると登場(演奏はバシッと決まっているのに、ステージに上がる瞬間はこんな感じだ……!)。10月7日(水)には初のフルアルバム『W.O.R.K.S.』をリリースし、11月から全国5ヵ所6公演、Zepp Shinjukuでのワンマンも含む過去最大規模のツアーに出ることを発表し、会場から大きな歓声が沸いた。

さて、昨年は「メジャーレーベルの大人たちは嫌いだった」という本音と共に、avex内に新レーベル(HEiLO RECORDS)を設立することを発表したラブネバ。彼らはこのアルバムで「本当の意味でのメジャーデビュー」を果たす。実直な活動で仲間を増やしていった彼らは、きっとこれからもっと広い舞台へと進んでいくのだろう。

帰路に着く電車の中で、「Black or White?」をハンドマイクで踊るように歌っていたKazuki Ishidaの姿を思い出した。そう、人生はそう簡単に割り切れるものではないが、踊るように毎日を生きたいし、歌うように日々を乗り越えたい。そしてそんな日常のBGMになり得るのが、きっとこの音楽なのだ。

Text:黒田隆太朗
Photo:市川実果

2026.07.24 Fri.

#FLiNR S/S TOUR 2026 “LEAP OUT”

at 渋谷 CLUB QUATTRO

【setlist】

1 Good Morning

2 バックミラー

3 プラチナ

4 Lady and Sir

5 Unlucky!!

6 ファンデーションの前に

7 Baby,Don’t Stop

8 メモリーフラッグ

9 最近変わりない?

10 泡と文學

11 落日々

12 シューズは脱がないで

13 夜的平成浪漫

14 僕らの行進曲

15 Black or White?

16 微炭酸

17 デッドライン

18  OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT

En.

19 Passengers

20 People 365

【リリース情報】

アーティスト名:First Love is Never Returned

タイトル:W.O.R.K.S.

読み:ワークス

発売日:2026年10月7日

①CD+Blu-ray

品番:AVCD-63914/B

価格:定価:¥7,700(本体価格:¥7,000)

②CD

品番:AVCD-63915

価格:定価:¥3,300(本体価格:¥3,000)

収録内容

<CD+Blu-ray、CD共通>

曲順未定 12曲収録予定

「挿入歌」「僕らの行進曲」「微炭酸」「最近変わりない?」「Good Morning」「Passengers」に加え、新曲6曲を収録した全12曲を収録予定。

<Blu-ray>

①LIVE映像

#FLiNR S/S TOUR 2026 “LEAP OUT”

2026.7.24 SHIBUYA CLUB QUATTRO

②スペシャルドキュメンタリー

FROM HOME -Sapporo Footsteps-

▼各CDショップ、商品サイトhttps://FLiNR.lnk.to/W.O.R.K.S._pkg

▼特典情報

全国汎用特典:オリジナルステッカー

タワーレコード限定特典:オリジナルキーホルダー(全1種)

【ツアー】

#FLiNR ONE-MAN TOUR  26-27  “W.O.R.K.S.”

2026年

・11月7日(土)札幌・VyPass.  

OPEN 17:30 / START 18:00

・11月20日(金)福岡・The Voodoo Lounge

OPEN 18:30 / START 19:00

・11月27日(金)名古屋・JAMMIN’  

OPEN 18:00 / START 19:00

・12月13日(日)大阪・BIGCAT

OPEN 17:00 / START 18:00

2027年

・1月10日(日)東京・Zepp Shinjuku

OPEN 17:00 / START 18:00

・1月30日(土)札幌・PENNY  LANE24

OPEN 17:00 /  START 18:00

チケット料金

■大阪・東京・札幌(PENNY  LANE24)公演

一般 5,500円(+1D)

学生 4,500円(+1D)

■札幌(VyPass.)名古屋・福岡公演

一般 5,000円(+1D)

学生 4,000円(+1D)

チケット:https://w.pia.jp/t/flinr2627-works/ 

オフィシャル抽選先行:2026年7月24日(金) 21:30 – 8月9日(日) 23:59

【アーティスト情報】

・OFFICIAL WEB SITE https://flinr.jp/

・OFFICIAL X https://x.com/1st_love_is

・OFFICIAL Instagram https://www.instagram.com/1stlove_is/

・OFFICIAL TikTok https://www.tiktok.com/@flinr_band